賃貸契約の物件を解約するとき、原状回復工事が必要不可欠になります。工事が必要になった場合、何をしなければならないのか、イマイチ想像できない方も多いのではないのでしょうか。今回はその工事の内容や流れについてわかりやすくご説明します!
原状回復について

原状回復とは
原状回復とは賃貸物件など解約をする際に契約前の状態に戻すことです。生活の中で床や壁につけてしまった傷や跡、変色を元の状態へ修繕します。原状回復工事は、その修繕を行うことです。
住居目的の賃貸だけでなく、オフィスや店舗として使用し改装を行った場合も原状回復を行わなければいけません。そして、賃貸の目的が住居としてか、オフィスや店舗など事業として使用するかで、その工事にかかる費用や工事内容は異なります。
原状回復工事の流れ

住居として使用した場合の工事内容
原状回復は損傷の原因によって責任の所在が変わります。住居スペースとして使用する場合は、賃借人の負担はそこまで大きくありません。
原状復帰の義務がある事例

・ペットがつけたしみや傷
・水回りのかびや水垢
・キッチンの油汚れ など
このように賃貸者が掃除や管理を怠ったことによって起こった損傷は責任が問われることがあります。
原状回復の義務がない事例

・家具の設置によって生じる凹み
・太陽光による色あせ
・自然災害による損傷 など
普段の生活で発生する損傷や経年変化、自然災害などは本人に責任が問わません。
事業目的で使用した場合の工事内容

オフィスやテナントとして借りた場合は基本的に全ての回復作業を賃借人が行う必要があります。
・水道やガス、電気の配管設置の撤去
・仕切りやパーテーションの設置、区画の増設の撤去
・壁や天井の張替え、塗装
・キッチン、カウンターの撤去 など
工事の流れ
1.施工業者へ問い合わせ

まず、施工業者へ工事について相談します。賃貸物件の間取りや契約内容、希望予算などの確認を行います。
2.現場調査と工事内容の打合せ

次は実際に業者が現場を調査します。現場の状態を調査し、どのような工事が必要になるか、またその工事の内容に合わせて見積もりの相談を行います。
3.契約

業者と何度か打ち合わせを重ね、工事内容や見積もりに納得できれば契約完了となります。
4.着工

契約が完了すれば実際に工事に取り掛かります。工事期間は簡単なものであれば数日で完了しますが、1~2週間程度が平均的です。100坪以上の広い物件になると1か月ほどかかる場合もあります。
5.最終確認・工事完了

工事を終える前に現場の確認を行います。この時点でさらに修繕が必要な箇所がないか業者とよく確認し、貸主とのトラブルを防ぎましょう。
業者に依頼して工事を行う際、賃貸の目的によって原状回復を行う期限が異なります。住居目的の物件では、賃貸契約が終了してから工事を行うことができますが、事業目的で賃貸契約した場合、契約期間終了の前に工事を完了させなければなりません。
上記のように工事に取り掛かるまでにもかなりの時間を要します。工事が終了しなかった場合、延長分の賃料の負担などさらに費用がかさんでしまうこともあるため、事前に契約書を確認しておきましょう。
原状回復のトラブル

原状回復に関連するトラブルは年間約15000件ほど報告されています。国土交通省には賃貸契約や原状回復のトラブルについてのガイドラインが作成されていますが、あくまでもガイドラインであって明確な規制が設けられていません。
そのため、賃借人と賃貸人の間でトラブルが起きることがよくあり、特に多いトラブルは費用の負担に関してです。
・賃借人と賃貸人のどちら側が負担するか判断しにくい損傷
・納得できない修繕費用の要求
・亡くなった身内が住んでいた賃貸物件の原状回復工事の費用負担の請求
など
このようなトラブルを防ぐための対策をいくつかご紹介します!
トラブルの対処法と防ぎ方

契約時に確認する
原状回復について賃借人がどこまでどこまで負担するのか契約書に記されています。契約時に分からない点があれば賃貸人に確認しトラブルを未然に防ぎましょう。
建物の管理会社や国民生活センターへ相談
トラブルが起きてしまった場合、当事者間だけでの解決は困難であるため、第三者の仲裁が必要になります。建物の管理会社に相談するのが一番ですが、その会社が賃貸になっている場合は話し合いの進展は見込めません。そういった場合は国民生活センターへ相談しトラブル解決の方法を提案してもらいましょう。
専門家に相談する
専門家に相談すればより正確な情報を得ることができます。法律に詳しく、トラブルの対処に慣れている弁護士に相談することもできますが、裁判沙汰になると賃貸人との関係が悪化し益々状況を悪化させてしまう可能性もあります。まずは専門家に相談し、間に入ってもらうことで解決を試みましょう。
まとめ

原状回復工事の内容と流れについてご紹介しました。国土交通省のガイドラインに基づいて工事を行いますが、疑問点や相談があればトラブルが起きる前に早めに解決していきましょう。まずはお気軽にお問い合わせください!